[Science Tips] 2022年共通テスト物理基礎解説
最終更新日:2022年11月22日(初版作成日:2022年10月15日)
問題(大学入試センター)
第1問
問1
電車を題材に、相対速度を考える問題です。
時間は、上の式から、次式を使用して計算します。
$$\large{t[\mathrm{s}] = \frac{s[\mathrm{m}]}{v[\mathrm{m/s}]}}$$
問2
力と運動を考える問題です。
ポイントは、手による力が重力だけなのか・どうかというところと、重力だけの場合は釣り合っているということがポイントになります。
特に、区間3では、再度重力だけの力だけ働いている状態なので、おもりは等速直線運動していることになります
(もし、力が0になっていれば、減速しつつ上昇することになる)。
問3
まず、空気抵抗が無視できるということは、運動エネルギーの減少が無いということです。
ここで、運動エネルギーと位置エネルギーの和は一定という物理法則があります。
さらに、高さyを使用すると、位置エネルギーは、(2)のようになります。
(2)を(1)に代入して、(3)になります。
そして、(2)と(3)からグラフが類推できます。
問4
疎密の周期が振動の一周期になります。
媒質の動きは、疎の頂点の左で左側、右側で右側になります(その結果、疎の両サイドが密になります)。
第2問
A
問1
温度の変化は、温める時間が同じなので、電力の差になります。
電力をPとすると次のように表せます。
直流に繋いでいるときは、電流は一定、電圧は抵抗の比に比例します。 今、電熱線Aの方が温かくなっているので、電熱線Aの方が大きな抵抗で、高い電圧がかかっていることが分かります。
問2
並列に繋いでいるときは、電圧は一定、電流は抵抗の値に反比例します。
今、電熱線Cの方が温かくなっているので、電熱線Cの方が小さな抵抗で、大きい電流が流れていることが分かります。
B
問3
全体の電力は各電力の和になっている、直感通りで大丈夫です(笑。
問4
直流の電力量は次の式で表せます(交流の場合、実効値という考え方もあるので、注意が必要です)。
桁数に気をつけながら、丁寧に計算すれば大丈夫です。
第3問
問1
第一作戦:比熱
まず、問題を始める前に、水1gを1度上げる熱量が1calであることを思い出します(カロリー(cal)の定義です)。 この時、水1gの熱容量を1calといい、水の比熱(比熱容量)を、1 cal/gK(1度差の1K(1ケルビン))といいます。 さて、ここで出てきた、水の質量(m)、比熱容量(c)、温度変化(△t)を用いて、熱量を表すと、次のようになります。
$$\large{Q[\mathrm{cal}] = m[\mathrm{g}]c[\mathrm{cal/gK}]\triangle t[\mathrm{K}]}$$さらに、問題をイメージしやすいように、ここにアルミニウムのスプーンと鉄のスプーンがあったとしてみてください。 アルミニウムのスプーンの方が簡単に温まりそうな気がしませんか。 その通りなのです。室温程度では、アルミニウムと鉄では、比熱が倍変わってきます (アルミニウムの比熱0.211、鉄の比熱0.107、数値が大きい方が温度変化が大きい)。 この問題では、金と銀を比べることになります。
さて、後は、国語の問題です。 スプーンBの方が水を温かくしたということは、もともと持っていた熱量が大きかったということです。 温度は同じなので、比熱が大きいということになります。
次に、水の温度の違いを大きくするためには、水の量を少なくするか、与える熱量を大きくすればいいことになります。
問2
第二作戦:密度
まず、密度とは、重さ/体積です。
$$\large{ \rho[\mathrm{km/m^3}] = \frac{m[\mathrm{kg}]}{V[\mathrm{m^3}]} }$$滑車で釣り合っているということで、重さは同じであるということです。 また、水の中では浮力が働く(体積が大きい方が大きな浮力)ので、より浮いているスプーンBの方が体積は大きいです。
問3
第二作戦:電気抵抗
電気抵抗は、流れる電流に反比例して、かけている電圧に比例します。また、抵抗の大きさは、形状が同じであれば、長けば大きくなって、断面積が大きくなれば小さくなります。そして、その係数が物質毎に異なる部分になります。
$$\large{ R[\mathrm{\Omega}] = \frac{V[\mathrm{V}]}{I[\mathrm{A}]} }$$ $$\large{ R[\mathrm{\Omega}] = \rho[\mathrm{\Omega m}] \frac{l[\mathrm{m}]}{S[\mathrm{m^2}]} }$$参考/引用
改訂履歴
2022年11月22日:追記
2022年10月15日:初版作成
通し番号:068(管理用)